運動の仕方

監修横浜総合病院 リウマチケア看護師 小林恵 先生
聖隷横浜病院 リウマチ・膠原病センター長 山田秀裕 先生



運動の仕方

運動の仕方

  • 関節や筋肉を動かすことは、運動機能の維持や関節の保護につながります。
  • 主治医に関節の動く範囲(可動域)を確認してもらい、「どの運動を、どの程度行うのか」を相談しておきましょう。
  • 運動を行う際には、無理をしないことが大切です。適度に休憩をとりながら行います。勢いや反動はつけずにゆっくりとした動作を心がけましょう。
  • リウマチ体操を行う際には、大きな関節から小さい関節へと動かしていきます。

肩の上げ下げ

1ゆっくり肩を耳に
近づけるように上げます。

2ゆっくり肩を下ろします。

肩の上げ下げ_肩を上げる
12 くり返します。
肩の上げ下げ_肩を下げる
ポイント体操中は息を止めずに行いましょう。

腕のひねり

1小さく前にならえの構えから、 親指を立てて、 軽くこぶしをにぎります。

2手のひらが上に向く ように外側に回します。

23 くり返します。

3手のひらが下に向く ように内側に回します。

ポイントゆっくりと無理をしない範囲、速度で行います。

指を立てることが難しい場合は、手のひらを
裏表にかえすように行うとよいでしょう。

手首の上げ下げ

1手のひらを下に小さく前に 構えてから、手を下にたらします。

2手を上にそらせます。

手首の上げ下げ_手を下にたらす
12 くり返します。
手首の上げ下げ_手を上にそらす
ポイント手首を軸にして、手のひらを上下に動かします。

指の曲げ伸ばし

1手のひらを正面に向けて、 大きく広げます。

2指を握ります。

指の曲げ伸ばし_手のひろを大きく広げる
12 くり返します。
指の曲げ伸ばし_指を握る

手を正面に向けるのが難しい場合は、
下ろした状態で行ってください。

指折り

指折り
手のひらを正面に向け、親指から順番に指を折り、手を握っていきます。 全て握ったら、小指から順に指を開いていきます。

指の間の開閉

1手のひらを正面に向けて 大きく広げます。

2指の間を閉じます。

指の間の開閉_手のひらを大きく広げる
12 くり返します。
指の間の開閉_指の間を閉じる
看護師のアドバイス

途中で休憩をとりながら行います。無理をしないことが大切です。

各運動をくり返す回数は、主治医又は看護師、作業療法士に相談しましょう。

足の上げ下げ

足の上げ下げ

1イスにしっかり腰をかけ、足を引き上げながら体に近づけます。
このとき両手を膝に添えます。

2ゆっくりと足を下ろします。

足の上げ下げ_両手を膝に添える
左右交互に12 くり返します。
足の上げ下げ_ゆっくりと足を下す
ポイントゆっくりと無理のない範囲、速度で行います。

つま先の上げ下げ

1イスに浅く腰をかけ、 足を少し前の位置におきます。

2つま先を上げて下ろします。

つま先の上げ下げ_足を前の位置に置く
12 くり返します。
つま先の上げ下げ_つま先を上げて下す
ポイント膝を曲げすぎないようにします。

かかとの上げ下げ

1イスに浅く腰をかけ、足を膝よりも 少し後ろの位置におきます。

2かかとを上げて下ろします。

かかとの上げ下げ_かかとを上げて下す
12 くり返します。
かかとの上げ下げ_足を後ろの位置に置く

運動終了後に、関節の痛みが残ってしまった場合には翌日の運動量を減らす、お休みするなど体調に合わせて行いましょう。

気になることがあれば主治医又は看護師、作業療法士に相談しましょう。

ウォーキングを行う際にチェックしてみましょう!

ウォーキングは気軽にできる運動です。ウォーキングを始める前に歩きやすい服装かを確認しましょう。また、関節の痛みや違和感があれば、次回の受診時に主治医又は看護師に相談しましょう。

  • ふらつくことがある
関節が痛くなることがある
  • 股関節
  • その他
ウォーキングを行う際のチェック
関節をしめつけず、楽に動ける服装を選びましょう。
バッグは、手提げよりも肩にかけるタイプの方が、関節の負担を軽減できます。
靴は、かかとが低く、厚いものを選びましょう。 靴底がやわらかく、土踏まずのアーチを 支えてくれるスニーカーがおすすめです。

関節リウマチ患者と家族のための 生活を楽しむ知恵と技(植木幸孝監). p90-109.羊土社, 2018