監修東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科学 教授 保田 晋助 先生
(1) 問診 どの関節の痛みや腫れがいつから始まってどのように痛むか、朝起きたとき関節がこわばるかどうか、その他全身の状態などをうかがいます。また、これまでにどのような病気にかかられたことがあるかなどをうかがいます。
(2)医師の触診 医師は手の指やひじ、足の指やひざなどの関節を手で診察します。これは関節の炎症の有無や程度を調べるためです。靴や靴下を脱いでいただくことがあります。
(3)血液検査・尿検査1,2) 血液検査や尿検査で、関節リウマチの状態や肝臓・腎臓の働きなどを調べます。なお、血液検査では次のような項目を調べます。
検査の名称 | 検査でわかることなど |
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RF (リウマトイド因子) |
リウマチ反応ともいわれていて、血液中のリウマトイド因子というタンパク質をみつける検査法です。ただし、リウマトイド因子の有無のみで関節リウマチとは判断できません。他の病気でも陽性になる場合があります。 |
抗CCP抗体 (抗環状シトルリン化ペプチド抗体) |
関節リウマチを診察する際に調べます。発症早期から陽性となるため、早期診断に有用といわれています。ただし、関節リウマチでも陰性のことがあります。 |
MMP-3 (マトリックスメタロプロテアーゼ-3) |
MMP-3は軟骨の成分を分解する酵素で、関節リウマチの病気のいきおいを知るために検査します。 |
せきちん赤沈けっちん(赤血球沈降速度、血沈ともいう) | 炎症の程度を調べる方法です。ただし、赤沈の値は貧血など、関節リウマチ以外の理由でも高くなることがあります。 |
CRP (C反応性タンパク) |
炎症の程度を調べます。CRPはかぜなど、他の病気でも高くなる場合があります。 |
関節や内臓の状態を調べるために、いくつかの画像検査を行います。
方法 | 内容 |
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X線検査 | 手や足などの骨の状態を調べます。また、関節リウマチでは間質性肺炎という肺炎の一種が起きることがあり、1年に1回程度、肺のX線検査を行うことがあります3)。 |
エコー (超音波検査) |
手や足などの関節、骨の状態を調べます。触診ではわからない関節の炎症や骨の状態について、早い段階から検出することが可能です4)。 |
その他の画像検査 | 医療機関によっては、MRI(核磁気共鳴装置)、CT(X線検査の一種)による検査を行うことがあります。 |
関節リウマチでは発症の早期に急速に関節がこわれていくといわれています5)。
特に、関節リウマチの患者さんにおいて「RFや抗CCP抗体の検査値が高い」、「病気のいきおい(疾患活動性)がある」、「発症早期から関節がこわれている」といったことが症状を悪化させやすいといわれています6)。定期的な検査を受け、早期診断につなげましょう。
参考文献