監修東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科学 教授 保田 晋助 先生
関節リウマチの症状は日にちや時間帯によって波があります。痛みが強い日や、朝起きてもからだを動かせない日もあり、そのため患者さんが日常生活に不安を感じることも少なくありません1)。患者さんのなかには、「料理の入ったフライパンを持つ」、「ふとんを干す」といった重いものを持つことに不便さを感じたり、「洗濯ばさみをつまむ」「野菜の皮をむく」など手先の作業に不便さを感じる方もいます1)。
症状によっては歯ブラシを持つことが難しくなり、十分な歯みがきができないこともあります。そのため、関節リウマチの患者さんは歯周病になりやすいといわれており、口腔衛生にも気を配る必要があります2,3)。
また、喫煙は薬の効果を弱め病気を悪化させることがあり、禁煙が必要です。2,3)。
治療により症状が改善されると、つい仕事をこなそうとしてしまい過度に負担をかけてしまうこともあります1)。負担が大きくなると症状が悪化してしまう場合があります。関節リウマチ患者さんの日常生活では、一つ一つの関節への負荷を減らし、無理をせず休息や睡眠を十分にとりながら過ごすことが大切です2)。
ご家族や身近な方に関節リウマチの患者さんがいらっしゃいましたら、過労を避け休息をとるように声をかけるなど、疾患への理解と協力を示してあげてください。
関節リウマチでは、重いものを運んだり、長時間立つ仕事が難しくなることもあります。仕事をする際には関節に負担がかからないよう、自助具などをもちいて工夫されている患者さんもいらっしゃいます。
妊娠中や授乳中は服用できない薬があります。関節リウマチの患者さんで妊娠を希望される場合には、医師とよく相談する必要があります。
参考文献