関節リウマチの治療法 運動療法
監修東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科学 教授 保田 晋助 先生
関節リウマチでは、関節がこわばってよく動かせなくなることがあります。また、筋力が低下してしまうこともあります。このようなことを防ぐために、リハビリテーションを行います1)。
リハビリテーションでは、筋力を維持・向上させるための運動や、関節周囲の組織が固まってしまい(拘縮)動きが制限されるのを防いだり、関節を保護するための工夫を行います。リハビリテーションの中には、自分でできる方法もありますが、自己流で関節に負担がかかったり、やりすぎると症状が悪化する場合もありますので、まず医師と相談してくださ
い1)。
リウマチ体操2,3)
リウマチ体操では、まず大きな関節を動かし、続いて小さい関節を動かします。このとき、ゆっくりと動かすことがポイントです。動かしすぎると症状が悪化する場合もあるので、朝と晩にゆっくりと動かす程度に、やり過ぎないことが重要です。
どの運動をいつ、何回くらい行うかは、医師や理学療法士に相談しましょう。
上肢の運動
①肘の運動
ゆっくり肘をのばします。
②肩の運動
小さく前にならえをした状態で、前腕 を外へ開き3~5秒保持し肩をねじります。
③手の運動
指を大きく開いたり握ったりした状態で、それぞれ3~5秒保持します。
下肢の運動
①股関節の運動
いすに深く腰かけ、背筋を伸ばしたまま片方の膝を高くあげ5秒保持します。これを左右交互に行います。
②膝関節の運動
いすに深く腰かけ、片方の足をゆっくり伸ばし5秒保持します。これを左右交互に行います。
③足首の運動
参考文献
- 1) 公益財団法人日本リウマチ財団教育研修委員会、一般社団法人日本リウマチ学会生涯教育委員会 編:リウマチ病学テキスト 改訂第2版. p13-26, p88-126, p522-526, 診断と治療社, 2016
- 2) 松田剛正他: 関節リウマチのトータルマネジメント.(公財)日本リウマチ財団 監, p20-96, p102-126,医歯薬出版,2011
- 3) 公益社団法人日本リウマチ友の会: やってみよう!リウマチ体操(DVD). 倉田典和監修, メディアフォーユー, 2012