体重が増えすぎると関節の負担になるので注意
してください。また、関節を冷やさないよう、
室温や服装に注意してください。
家族や学校の先生など、まわりの人に病気を
理解してもらうことも大切です。
学校の生活では、関節に負担のかかる長距離の登下校や
重い荷物の持ち運び、体育や遠足などで注意が必要です。
しかし、症状が手の関節のみの場合、走ることは可能ですし、
足の関節の状態がよければ遠足への参加も可能な場合があります。
楽しい学校生活を送れるよう、注意が必要なこと、
サポートが必要なことをかかりつけ医や学校の先生と相談してください。
好ましくない種目 | ||
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禁止すべき | ボクシング ・レスリング 柔道・空手 などの格闘技・スキー |
|
避けるべき | ホッケー・ラグビー・サッカー・ フットボール・ バスケットボール のように競技者同士の体が 触れ 合うようなスポーツ |
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手、肩、肘に 負荷がかか りすぎる |
器械体操・跳び箱・鉄棒 |
食事
家庭生活では食事が重要です。肥満は関節に負担をかける
ため、体重の増加には常に注意してください。栄養士の指導
を受けることも検討してください。
関節だけでなく、体全体の保温も大切です。冷房が効きすぎた
環境は避けるなど、室温に注意してください。
服装に関しては、着脱のときに無理な動きの少ない衣服
(前開きのシャツなど)、着脱が簡単で軽く、踵が低くて底が
柔らかい靴を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。
若年性特発性関節炎の症状は、個々の患者さんで異なりますが、
同じ患者さんでも日によって、時間によって変わります。
たとえば、今日元気に過ごしているように見えても、明日は関節の
痛みが強くなり、つらそうなしぐさを見せるかもしれません。
また、関節に「朝のこわばり※1」がみられる患者さんでは、
体を思うように動かせず、午前中の体育の授業を見学することが
あります。しかし、多くの場合「朝のこわばり」は午前中で治まる
ので、午後の授業では活発に動けるようになります。
上記の様子から、若年性特発性関節炎の患者さんは、まわりの
人から「さぼっている」と思われがちで、本人がつらい思いを
することがあります。
このようなとき、ご家族や学校の先生が病気をよく理解し、
サポートしてあげると、患者さんはとても安心できます。
※1 朝のこわばり:若年性特発性関節炎や関節リウマチを発病すると、
朝起きたとき、手や足の関節が動かしにくいと感じることがある。
この症状を「朝のこわばり」と呼ぶ。
藤川敏:小児科診療. 68(4):635-640, 2005
一般社団法人 日本リウマチ学会 小児リウマチ調査検討小委員会 編集: 若年性特発性関節炎診療ハンドブック2017, p62-71, メディカルレビュー社, 2017
一般社団法人 日本リウマチ学会 小児リウマチ調査検討小委員会 編集: 若年性特発性関節炎初期診療の手引き2015, p68-81, メディカルレビュー社, 2015